無宗教葬儀とは?流れ・費用・やり方・マナーを解説

小林憲行【記事監修】
小林憲行

記事監修小林憲行

無宗教葬儀とは
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  • 無宗教葬儀とは、宗教や慣習にとらわれず自由な形式で行われる葬儀のこと
  • 無宗教葬儀は、仏式の葬儀より全体にかかる費用をおさえられる傾向がある
  • 無宗教葬儀に反対する人もいるので、事前にしっかり話し合う必要がある

無宗教葬儀とは、宗教的な儀式や葬儀の習わしなどにとらわれず、自由な形式で行われる葬儀のことで、自由葬などとも呼ばれています。日本では仏式で葬儀を執り行うのが一般的でしたが、昨今では無宗教葬儀を選ぶ人も一定数の割合で増えています。

ここでは、無宗教葬儀の特徴や流れ、費用、マナー、葬儀後の供養、そして注意点についてまとめています。

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無宗教葬儀とは?特徴と流れ(式次第)

無宗教葬儀の特徴

無宗教葬儀の特徴は、宗教や慣習にとらわれないことです。決められた儀礼に束縛されることなく、自由に葬儀を行えるため「故人らしい」送り方ができます。故人を明るく送りたいのであれば、お別れ会のような形式にすることも可能です。

無宗教葬儀の流れ・式次第

無宗教葬儀には定められた形式がないため、自由に内容や段取りを決められます。 しかし、多くの場合行われるのは、仏式の葬儀から宗教の要素をなくした形です。ここでは、無宗教葬儀の流れの一例をご紹介します。

無宗教葬儀の流れ

  1. 入場:参列者が入場します。
  2. 開式の言葉:司会者が開式を告げます。
  3. 黙祷:お経を読む代わりに、全員で黙祷を行います。
  4. 献奏:故人の好きだった曲を流したり、生演奏をしたりします。
  5. 経歴紹介:故人の経歴を紹介します。
  6. スライド上映:スライドを観て、故人との思い出を振り返ります。
  7. 弔電の紹介:届いた弔電を読み上げます。
  8. 感謝の言葉:遺族代表が参列者に向けて感謝の言葉を述べます。
  9. 献花:遺族、親族、参列者の順で、一人ずつ花を供えていきます。
  10. お別れ:全員で故人とのお別れを行います。
  11. 閉式の言葉:司会者が閉式を告げ、葬儀を終えます。
  12. 出棺:葬儀後は出棺し、火葬場へと向かいます。
  13. 会食:火葬の後に会食を行う場合もあります。

無宗教葬儀の費用とは?お布施にかかるお金がない

無宗教葬儀では僧侶を呼ばないため、お布施を渡す必要がありません。
そのため、無宗教葬儀は仏式の葬儀よりも葬儀全体にかかる費用はおさえられる傾向があります。

しかし、葬儀式場を借りての葬儀である場合、式場の使用料や葬儀スタッフの人件費などは通常の葬儀と同じように必要になります。

無宗教葬儀の形は千差万別です。「無宗教葬儀だから葬儀も安くなる」というのではなく、「工夫次第で費用をおさえることはできる」と考えておくといいでしょう。

無宗教葬儀に参列する際のマナー!服装・香典・献花

その場にふさわしい振る舞いをしなければいけないのは、仏式の葬儀でも無宗教葬儀でも同じことです。ここでは、無宗教葬儀における服装や香典袋、献花のマナーについてまとめました。

無宗教葬儀に参列する時の服装

無宗教葬儀に参列する時の服装

無宗教葬儀に参列する場合、服装について特別に指示がない場合は、略式の喪服を着用して参列しましょう。

男性は黒のスーツを着用し、ネクタイやベルト、靴なども黒で揃えます。

女性は黒のワンピースやアンサンブルを着用し、黒のストッキングやタイツを履きます。

なお、「平服」との指定がある場合には、喪服に準じる服装(ダークスーツや地味な色のワンピースなど)を着用すれば問題ないでしょう。男性の場合、ネクタイのみ黒い色のものを用意しておけば、会場の雰囲気に合わせて変えることもできます。

香典袋と表書きについて

香典袋と表書きについて

無宗教葬儀でも、香典は用意する必要があります。一般的な不祝儀袋あるいは白い封筒に包んで持参しましょう。

なお、表書きは「御霊前」や「御花料」とするのが好ましいとされています。宗教と関係のない表書きにするのがマナーであることを覚えておきましょう。

焼香ではなく献花

通常、仏式の葬儀で行われる焼香の代わりに、無宗教葬儀でよく行われているのが、祭壇に花を供える献花です。一般的な献花のやり方は、以下の通りです。

  1. 自分の番になったら前に進み、遺族に一礼します。
  2. スタッフから花を受け取ります(このとき、花を右手側、茎を左手側に持ちます。
  3. 献花台の前で、故人の遺影に一礼します)。
  4. 根本が祭壇側に向くように花を持ち、献花台に置きます。
  5. 故人の遺影を向いて、再度一礼し、黙祷します。
  6. 遺族に一礼してから席に戻ります。

また、無宗教葬儀であっても焼香はしたいという方も多いようです。このような場合、焼香を行っても問題はありません。

ただし、葬儀式場以外の場所を会場に選んだ場合、例えばホテルなどではほかの利用客のことを配慮して、一般的に焼香は禁止されています。式の進行や演出は、式場の規約に合わせて考える必要もあるでしょう。

無宗教葬儀を終えたあとの供養

ここでは、無宗教葬儀を終えた後の供養方法をご紹介します。

永代供養

永代供養とは、お寺や霊園の管理運営者が遺族に代わって遺骨の管理・供養をすることをいいます。

通常のお墓とは違って承継を前提としていないので、従来は承継者がいない人や身寄りのいない人のための供養手段として用いられていました。

しかし最近では、またお墓を建てる必要がなく供養にかかる費用をおさえられるからという理由で永代供養を選ぶ人も増えています。

また、子どもに迷惑をかけたくない、財産を残したいといった理由から、墓地の承継者はいるものの、自ら永代供養を選ぶ人も多いようです。

海洋散骨

海洋散骨は、粉砕したお骨を海に撒く埋葬方法です。「自然に還したい」という気持ちから、海洋散骨を希望する人が増えているようです。

海洋散骨は通常のお墓よりも費用が安く、維持費もかかりません。また、宗教にとらわれずに埋葬ができるのも海洋散骨のメリットの一つだといえるでしょう。

海洋散骨の中でお別れのセレモニーを執り行う、海洋散骨と無宗教葬儀を組み合わせた葬儀プランもあります。

無宗教葬儀を行う場合の注意点

無宗教葬儀の知名度は徐々に高まっていますが、現在でも葬儀の大半は仏式で行われています。馴染みのない無宗教葬儀に反対する人もいるので、親族間でしっかり話し合う必要があるといえるでしょう。

菩提寺とのトラブル

また、付き合いのあるお寺、菩提寺との間でトラブルが起きる可能性もあります。宗派の教えに沿った葬儀を行わない場合、家族のお墓に納骨できないかもしれません。無宗教葬儀を選ぶときには、こういった点についてもよく考えるようにしてください。

式中、何もすることのない葬儀

また、無宗教葬儀に慣れていない葬儀社に依頼した場合、葬儀の内容について具体的な提案がなされない場合もあります。残念なことに無宗教葬儀を依頼し、その内容も葬儀社にすべて一任してしまったために、葬儀式場で何も行うことがないまま、ものの十数分で式が終了してしまったということもあります。

葬儀社側では葬儀の内容については遺族がすべて取り仕切ると判断してしまったために、あえて何の準備も行わず、結果として出棺までの時間をただ式場で何もすることなく持て余してしまうといったというケースも、実際に起こり得るのです。

このような行き違いを避けるためにも、無宗教葬儀を行う際には、どのような葬儀を行いたいのか、遺族の側でもある程度のイメージをしておく。同時に、どのような葬儀ができるのかを提案してくれるように、葬儀の担当者にもきちんと伝える必要があります。

さらに、より自由度の高いお別れを行うために、家族葬など必要最低限の規模の小さなお葬式を行ったうえで、後日改めてお別れ会を行うというケースもあります。これも無宗教葬儀のひとつといえるでしょう。

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無宗教葬儀はデメリットを考慮して判断すべき

近年話題になっている無宗教葬儀ですが、メリットも多い一方で注意点もあります。「信仰心がないから」「費用をおさえられるから」といった理由で安易に無宗教葬儀を選ぶのではなく、さまざまなことを考慮したうえで決めるようにしてください。

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