家族葬とは?家族葬の平均費用、家族葬が増えた理由・メリット・デメリットなど。家族葬について総まとめ

2018年10月2日

家族葬というのは故人とのお別れを大切にした葬儀です。 家族や親せき、故人と親しかった方などで送ります。会葬者、参列者の人数が少ない、一般葬と比べ規模が小さなお葬式です。落ち着いた雰囲気の中、生前の故人を知る人たちで、ゆっくりとお別れができるという特徴があります。
通夜も葬儀・告別式もあり、通常の葬儀と流れやその内容に大きな違いはありません。

 

家族葬の料金・費用の相場

家族葬を希望する遺族の中には「家族葬はいくらでできる?」という問い合わせをしてくる方もいます。家族葬という言葉には、お葬式の規模が小さくなる分、費用も抑えられるというイメージがあります。

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家族葬は参列者が少ない分、飲食費や返礼品費など変動費を抑えることができます。 宗教儀礼を行う場合、お布施は必要になります。

家族葬の費用、全国平均は約91万円。安いものでは30万円前後から

鎌倉新書 第3回「お葬式に関する全国調査」 (2017年10月)の結果をみると、家族葬の葬儀そのものにかかる費用の平均は、911,544円です。
この調査で、葬儀費用の平均(家族葬だけでなく、一般葬や一日葬、直葬も含む)は1,171,111円です。比較すると家族葬の平均は、約26万円安い結果になりました。

会葬者の人数によって変動する飲食費や返礼品の費用について。家族葬の場合、飲食費の平均は183,773円、返礼品の費用の平均は182,388円です。これら家族葬にかかる費用の平均を合計すると、1,277,705円になります。
なお、このほかに、宗教者に依頼する場合、お布施などお礼も必要になります。

*葬儀そのものにかかる費用:火葬場使用料、および、式場使用料を含む。ただし、飲食・返礼品費用、お布施は除きます。
*家族葬の定義はあいまいなので、この調査では「家族葬=通夜、葬儀・告別式のお葬式で、参列者は親族や親しい近親者のみ」として質問しています。

葬儀費用の総額と内訳

家族葬で最も多かった価格帯をみると、葬儀そのものは80万円~100万円ですが、飲食費、返礼品の費用についてはどちらも10万円未満という結果です。

家族葬にかかる費用の平均と最も回答が多かった価格帯(n=1999)

葬儀の種類 全国平均 もっとも多い価格帯
葬儀そのものにかかる費用 911,544円 80万円以上~100万円未満
飲食費 183,773円 10万円未満
返礼品の費用 182,388円 10万円未満

鎌倉新書第3回「お葬式に関する全国調査」より

また、「いい葬儀」に掲載中のプランを見ると、安いものでは30万円前後から、家族葬のプランはあります。各プランともに対応する葬儀社が異なるほか、使用できる斎場や参列者の人数などに制約もあります。詳しくはお問い合わせください。

 

家族葬の流れ

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家族葬の流れは、一般的な葬儀の流れと違いはありません。
お通夜があり、その翌日に葬儀・告別式を行います。地域によって、葬儀・告別式の前に出棺、火葬をする場合(前火葬)と、葬儀・告別式を終えてから出棺、火葬をする場合(後火葬)とがありますが、それぞれの地域の慣習に従うのが一般的です。

家族葬の流れ(東京都の場合)

家族葬の流れは、一般的な葬儀の流れと違いはありません。 お通夜があり、その翌日に葬儀・告別式を行います。地域によって、葬儀・告別式の前に出棺、火葬をする場合(前火葬)と、葬儀・告別式を終えてから出棺、火葬をする場合(後火葬)とがありますが、それぞれの地域の慣習に従うのが一般的です。

一般的な家族葬の流れ

*東京近郊の例です。お葬式の流れは地域によっても異なります。詳細は葬儀社の担当者にご確認ください。

 

家族葬はどれくらい増えているの?

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全国で、約4割の方が家族葬を行っています。2年前と比べ、家族葬を行った割合は、増加傾向にあります。

家族葬の割合は約4割

家族葬の割合は37.9%と、ほぼ4割近い人が家族葬を選んでいます。
2015年には31.3%でしたので、2年間で6ポイント以上増加しています。その分、一般葬を行う人の割合が減少しています。葬儀社へのヒアリングによると、首都圏だけでなく、地方でも家族葬を希望する人が増えています。

家族葬の割合

 

家族葬はどこの範囲までお知らせするの?

家族葬という名前から、家族だけのお葬式という印象を持つ方もいますが、家族以外の人が参列しないわけではありません。もちろん人数に制限があるわけでもありません。故人と親しかった方々で、温かくお送りします。

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家族葬だからといって、家族以外の人も参列してかまわない。
お知らせをしなかった方には、後日、家族葬を執り行った旨をご連絡する。

家族葬に家族以外は参列できるの?

家族葬で頭を悩ませるのが、だれに連絡をして、だれに連絡をしないか?ということです。
家族葬という名前から、親せきや故人の友人関係の方を呼んではいけないのでは?という心配する方もいらっしゃいます。
結論から言えば、家族葬に家族以外の方が参列しても問題はありません。
また、「家族葬だから参列者は何人以内にしなければならない」という決まりもありません。家族、親せき、故人と親しかった方にご連絡するのが一般的です。

知らせるべきか、知らせないべきか迷ったときは?

相手によっては、お知らせするべきかどうか迷うこともあるでしょう。
このような場合、もしも自分が訃報とともに「家族葬で執り行います」という知らせを受けたときのことを考えてみましょう。家族葬とはいえ、参列した方がいいのか、それとも行かない方がいいのか?知らせを受けてしまったら迷うのではないでしょうか?

こうした負担をかけないようにという配慮から、お知らせするかどうか迷った相手には、「お知らせをしない」というケースが多いようです。葬儀が終わった後に、家族葬を執り行った旨をきちんとお伝えします。

なお、地域によってはその後のお付き合いなどもあるので、お知らせしないことがかえって迷惑になることもあります。困ったときには葬儀社に相談しましょう。
家族葬選びの悩み

家族葬を行った旨、お知らせは必ず送る

故人の友人や知人、職場の関係者など、葬儀への参列は遠慮していただいた方に対しても、葬儀後の挨拶状をお送りし、お知らせします。
お知らせをする時期については、家族葬を行った直後にお知らせすると、自宅に弔問に訪れる方も多くなることもあります。一般的には四十九日法要の後にお知らせする。または年末も近くなったころに、年賀欠礼(喪中はがき)で行います。

お知らせの文面には家族葬を行った旨、記します。この時「故人の遺志で家族葬にした」と、家族葬が故人の希望だったということを書く場合が多いようです。

喪中はがき

喪中はがきは誰に、いつ送るの?

故人や遺族が年賀状をやり取りしている方へは、年賀欠礼状(喪中はがき)をお送りします。
この場合、11月の中旬から遅くとも12月の初頭、先方が年賀状を用意する前に届くように送ります。

なお、葬儀に参列してすでに、故人が亡くなっていることを知っている方に対しても、喪中はがきは出します。喪中はがきは本来、喪中を知らせるためのものではありません。年賀欠礼状という名前の通り、「喪中のため、年賀の慶び、お祝いをすることができません」というお詫びをするためのものだからです。

家族葬に呼ばれなかった友人、知人のお香典は?

一方、喪中はがきを受け取って、友人や知人が亡くなったことを知った際は、一般的に1月8日以降、松のうちが明けてから寒中見舞いで、お悔やみの気持ちを伝えます。
故人とのお付き合いによっては、お香典や供物をもって弔問に伺うこともあります。この場合、事前に遺族に連絡を取り、都合や意向を確認した上で伺います。

また、お花や進物用のお線香などを送り、弔意を表すこともあります。家族葬が増える中、最近では、お米など進物用の品にもいろいろな種類があります。

お香典の画像

参列者の人数が葬儀社のプランに書かれた人数を超えてしまったら?

葬儀社の家族葬プランによっては、葬儀費用とともに「~人まで」と人数の上限が記載されている場合もあります。通常、このようなプランでは、会場の広さや、お食事、返礼品の数(変動費)に基づいて金額が想定されています。

多少の変動は、追加費用などで対応は可能です。葬儀プランに書かれた費用はあくまでも目安と考え、ご不明な点は、葬儀の担当者にご相談した上で見積りをとることをお勧めします。

葬儀の人数で頭を悩ます画像

家族葬より一般葬の方がお得な場合

故人や喪主の職業、社会的な立場、さらに地域性などによっては、家族葬を選んでも大勢の参列者が訪れる場合もあります。葬儀後の対応も考えると、多くの方に来ていただいた方が、遺族の負担が減ることもあります。式場の大きさを決める際など、葬儀社の担当者にアドバイスを求めるとよいでしょう。
さらに、葬儀の費用のことを考えると、参列者からお香典をいただくことで、喪主の実施的な持ち出しが減るということもあります。

 

家族葬のお香典

身内が中心となるため、家族葬では香典は受け取らないものとイメージする方もいるかもしれません。しかし、地域の風習など何らかの理由があって、あえて辞退するのでなければ、香典は受け取るのが一般的です。 また香典を受け取ったら、返礼品もお返しします。

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家族葬で受け取るお香典の平均は約38万円です。
お香典で家族葬の費用負担を減らすことができます。

家族葬で受け取るお香典の平均は383,509円

家族葬で会葬者から受け取るお香典の平均は、383,509円です。
先に述べた、家族葬にかかる費用の合計から、お香典の額を差し引くと、約89万円が、喪主をはじめ遺族が実質的に支払う葬儀にかかる費用です。
このほか、宗教者にお渡しするお布施等もありますが、お香典をいただいた方が、お葬式に伴う経済的な負担は軽くなります。

家族葬香典の費用平均

 

家族葬のメリットとデメリット

家族葬にはさまざまメリットがある反面、デメリットもあります。
故人とお別れをしたかったという方が頻繁に弔問に訪れて、外出もままならなかったということもあります。
また、きちんと意向を伝えないと、お別れをしたかったのに葬儀を知らせてもらえなかったと、親せき間で関係が悪くなってしまうこともあるので、注意が必要です。

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家族葬を行ったうち8割以上が「満足」「やや満足」と答えています。
後々、弔問客が自宅に訪れて遺族の負担が増えることもあります。

家族葬のメリットは落ち着いたお別れができる

家族葬のメリットは、何と言っても、故人と親しかった人たちでゆっくり、落ち着いたお別れができるという点です。
また、ほかの種類の葬儀と比べても、家族葬は満足度も高いという特徴があります。8割以上が「満足」もしくは「やや満足」と答えています。

家族葬のデメリット

一方、家族葬のデメリットとして気をつけるべき点は、お知らせをする人の範囲です。
あまり知らせる範囲を狭めてしまうと、知らされなかった方から「故人とお別れをしたかった」「どうして呼んでくれなかったの?」といわれることもあります。

葬儀の後に弔問に訪れる人が多く、かえって大変になることもあります。いつ、どなたが訪れるのかわからないため、葬儀後の手続きなど忙しい時期にもかかわらず、思うように外出もできず苦労する遺族も多いようです。

また弔問客が故人とは親しかったとしても、遺族が知らない相手のこともあります。故人を偲んでもらえるのは嬉しいけれど、面識のない方に自宅に上がっていただくことには抵抗を感じるという方も少なくはありません。

家族葬に人数の制限はありません。多少、増えてしまうとしても、故人の交友関係なども考えて、決めることをお勧めします。

家族葬のデメリットの画像

お坊さんにはお願いするの?

家族葬も普通のお葬式と同様、一般的に宗教的儀礼は行います。菩提寺がある方は菩提寺に連絡します。お寺にお墓がある場合、宗教的な儀式を執り行わないと、納骨できないこともあります。
家族葬を行いたいという旨、事前に住職に伝え、確認することが大切です。

菩提寺や親しくしているお寺がない場合、葬儀社が地域のお寺を紹介してくれることもあります。また僧侶を紹介してくれるサービスもあります。

お坊さんの画像

家族葬をすると葬儀社に嫌がられるの?

家族葬にしたからといって、葬儀社に嫌がられるということはありません。ただし、故人の社会的な立場などを考慮して、会葬者が大勢集まることが予想された場合には、式場の大きさなどアドバイスをすることはあります。

家族葬に力を入れている葬儀社はたくさんあります。家族葬だけでも、いくつものプランを用意しいているだけでなく、家族葬を専門にしている葬儀社もあります。
セレモニーホールも式場の大きさや造り、内装や設備など、家族葬のために造っている施設も多数あります。「家族葬専用ホール」といった名称を付けて、差別化しています。

 

家族葬の歴史。日本で家族葬が広がった背景とは?

家族葬という言葉が使われるようになったのは、1990年代半ばと言われています。その後、2000年以降、広く知られるようになりました。

当初は首都圏をはじめ都市部に特有の葬儀と考えられていましたが、時とともに地方都市をはじめ、各地に浸透しています。

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家族葬が浸透した背景には、日本人の生活環境の変化のほか、さまざまな理由があります。
家族葬という名前が持つ良いイメージも人気の理由です。

家族葬が広がった理由

家族葬というかたちの葬儀が広がった背景には、いくつかの理由が考えられます。
一昔前の、故人とは面識もない人たちまで集まる大勢の会葬者が集う葬儀や、葬儀費用に対する疑問。家族構成や親せき、地域との関係性の変化など。こうした疑問や変化に対して、「故人と親しかった人で送る」というコンセプトだけでなく、「家族葬」という言葉の持つ温かいイメージも受け入れられたようです。

理由1 派手なお葬式への反省から

高度成長期以降、お葬式には遺族の勤め先の関係者など、故人や家族とはあまり関係のない方も大勢集まるようになりました。こうした参列者への対応で、遺族の負担が増えるだけでなく、故人と親しかった方々と落ち着いてお別れができないという問題も起こってきました。

また参列者が増え葬儀の規模が大きくなると、使用する式場やそれに合わせて祭壇も大きくなります。式場使用料や祭壇の費用、葬儀社の人件費など葬儀にかかる費用は増えます。飲食や返礼品など参列者の人数によって変動する費用も同様です。
こうした派手な葬儀への反省から、故人と親しかった人だけで、落ち着いてゆっくりとお別れをしたいというニーズが生まれました。

理由2 地域の縁の希薄化が進んだから

私たちの社会環境の変化も加わります。
かつて、第一次産業(農業)にかかわる人が多かった時代は、生まれてから亡くなるまで、一生をその土地で過ごすことが大半でした。しかし、第二次産業、第三次産業への従事者が増えると、生活の場を故郷から都市部へと移す人も増加しました。

移動が盛んになると、それぞれの地域での縁も薄れます。その地域で生活していくために不可欠だった冠婚葬祭の付き合いも、その意味合いが変化し、儀式の中心は地域から各家庭へと移ることになります。

またかつては、葬儀・告別式はある意味その家庭の地域での役割を継承するといった意味合いもありました。
次の世代を担う、その家の代表をお披露目する大切な場です。家業を継ぐという方も多く、ある意味、社葬にも似ています。地域の縁が薄れてしまったことで、こうした世代交代を地域社会に知らす必要性も薄れたというわけです。

社会環境の歴史

理由3 高齢化によって参列者が減ったから

医療技術が発達し、人々の寿命が延びたことも、お葬式に影響を及ぼしています。
亡くなる方の年齢が上がると、自然と故人と関係のあった方の年齢も上がります。本来であれば参列される方も体調を崩していたり、さまざまな理由で参列ができなくなります。

また仕事を引退してからの時間が長くなることで、職場とのつながりも疎遠になります。故人だけでなく喪主の高齢化も進みます。喪主がすでに仕事を引退していると、弔問に訪れる人数はさらに減少します。

理由4 少子化によって一人の喪主経験回数が増えたから

少子化によってきょうだいの数が減ると、ひとりの子どもにかかる葬儀の負担は大きくなります。夫婦がともに一人子の場合、ひとつの家庭で双方の両親の葬儀をすべて執り行うケースも発生します。その結果、シンプルで経済的にも負担が少ないという印象から、家族葬の人気が高まることになります。

その一方で、ひとりの喪主が何度か葬儀を経験する中で、「葬儀に慣れる」ということもあるようです。故人の生き方に合わせて葬儀の中でも何を大切にしたいかを考え、例えば父親の時は一般葬を行ったけれど、母親の場合は家族葬を選ぶというケースもあります。

家族の画像

密葬と家族葬

家族葬はしばしば、密葬と混同されることもあります。実際に、大きな違いはないようです。
密葬というのは、古くからある言葉で、身内だけで内々に行う葬儀のことです。後日、多くの方にお知らせをして、本葬を行うということもあります。しかし、必ずしも本葬とセットでなければならないということでもないようです。

一方、家族葬も身内が中心となって故人をお送りします。それ自体が葬儀・告別式となります。社葬など、遺族を中心に家族葬を行った後に改めてお別れの会を行うことはありますが、一般的には家族葬を行った後に、本葬を行うということはありません。

一説では、密葬を終えたという知らせを受けた方が、本葬があるのかどうかわからないと困ることから、家族葬という言葉が生まれたともいわれています。

なお、最近の傾向としては、家族葬を行った後に、お別れ会を開くケースも増えているようです。遺族だけでなく、故人の友人など故人と親しかった方が中心となって開く場合も多く、会場や演出も葬儀と比べて自由度が高いのが特徴です。

 

 

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